ブッダはどのように悟るかということを教えられました。そして悟りを達成するためには菩提心が重要だと言いました。

菩提心には2つの側面があり、「世俗の菩提心」と「究極の菩提心」といわれるものがあります。この2つのそれぞれの悟りへの道(方法)を説いたのが シャマタ(瞑想)、そしてヴィパッサナー(瞑想)というものです。シャマタ(止)が世俗の菩提心にあたり、もうひとつのヴィパッサナー(観)が究極の菩提心、つまり空、智慧につながっていると考えられています。

1点集中するシャマタの瞑想は、集中する心は養えますが、それだけでは慈悲や智慧を十分養うことにはならない可能性があります。 逆にヴィパッサナーや洞察だけに偏ってしまうと、智慧や空を深く理解することできない、深く見抜く力は養うことができない可能性があります。ですので、シャマタとヴィパッサナーの両方を訓練していく必要があります。

ヴィパッサナーは私たちの日々の生活に深遠でポジティブな影響をもたらします。

例えば他人や自分に優しくなったり、愛や慈悲を持ちやすくなったり、他人や自分を許すことができたり、怒りが出てきても前より頻度が少なかったり、激しい怒りが軽減したり、また、感謝の気持ちが自然に湧き上がってくるようになったりします。

もうひとつのシャマタをプラクティスすると、時間がかかりますが私たちの心はより安定して対象からそれず、明晰になっていきます。そしてこのシャマタを真剣に訓練していくと、自然にヴィパッサナーの段階にも入っていきます。

物事の本質、自分が誰であるかがわかってきて、物事の姿形が自然と溶解していくように感じます。

このように、教えというのはまるまるすべてを含んだ、「フルパッケージ」でできています。その中には美味しいものが入っていて、そのひとつがシャマタであり、 他にも愛と慈悲、忍耐、許し、寛容な心、感謝の気持ちが入っています。なので、ひとつだけではなく、この美しいパッケージの全てを養っていくのが大切なのです。

バリー・カーズィン

(2017年2月27日開催・「ヒューマンバリュー瞑想プラクティス・グループ『Dr.バリー 瞑想会 from 香港 via zoom/Live』」より