忍耐

今回は「忍耐」のお話をすることにしましょう。

忍耐とは、チベット語ではsopaと言いますが、英語ではPatience(忍耐、辛抱強さ、根気)、Tolerance(耐性、我慢、寛容さ)、bear(ひどい状況や感情に持ちこたえる)などがあります。何か困難な状況があるとき、私たちは、いらいらしたり、不満を感じたり、ときに怒りが湧いてきたりすることがあります。そのようなとき、忍耐の力をつける。さらに育むには、3つのメソッドがあると言えます。

ひとつは、反射的に反応しないこと。これは抑圧するということではなく、相手に害を与え傷つけたり、キツイ言葉などを言わない、ということです。つまり自分を止めるということです。それには呼吸が役に立ちます。とくに9ラウンドの呼吸の瞑想などは、効果的です。感覚的な層だけでなく、微細なエネルギーにも働きかけ、浄化の効果があります。瞑想はなじませていくことが大切です。効果として、落ち着くということもあります。

2つめは、視野を広げるということ。ネガティブなことだけが見えているところから、前後左右、上下、裏表など、あらゆる角度から物事を見て、ポジティブなことも見るよう視野を広げるのです。それで心も静まり、自分も今ベストを尽くしているのだと、腹が立っても意味はないと気づくわけです。自分の望みがいつも完全にかなうわけではないとしても、怒る、あるいは忍耐力を失うことは、状況をさらに悪化させるだけだと気づきます。

そして3つめは、慈悲の心を持つということです。それは自分自身に対してもです。とくに自分のコントロールが及ばない状況であれば、そこでベストの尽くしている自分にも、そして他者が関係していれば他者にも慈悲の心を持ち、さらにその慈悲を育むことです。

バリー・カーズィン

~2017年1月24日開催「skype瞑想会(インドより中継)」より~