2017/12/3「グローバル・リーダーシップ・プログラム」報告

*ビジネス(リーダーシップ)*
2017年秋季 Dr. バリー・カーズィン来日プログラム【報告】

継続して開催している「グローバル・リーダーシップ・プログラム」も、今回で5回目を迎えることができました。毎回、異なる視点やアプローチからの講義、さらに参加者同士のディスカッション、Dr. バリー・カーズィンとの質疑応答、瞑想実践も加え、「リーダーシップとは何か」をテーマとしたトレーニングとなっています。今回はとくに育成に関わる方への「レジリエンス」をテーマに、企業や組織で人材育成や能力開発などに携わっている方、さらに教師として学校教育に携わる方など、たいへん多くの方に参加していただきました。

最初に、島田由香さん(ユニリーバ・ジャパン)とDr. バリーによる「教育におけるクリエイティビティ」についての対話、また島田さんからは「人事」という視点、さらには現在の日本における「働き方改革」においても、このマインドフルネスとコンパッションがいかに大切であるかについて語っていただいたビデオメッセージで始まりました。

Dr. バリーの講義は、ビジネスにおいても教育においても、長期的視野と短期的視野を比較して、リーダーにはマインドフルで誠実であることに加え、コンパッションが必要であること、エゴを減少させることでコンパッション(慈しみ)が上昇することから始まりました。そのためには、私たちのネガティブな感情に取り組むことが必要であることから、改めて「ネガティブな感情とは何か?」についても探求していく内容となりました。

さらに具体的に、近年の欧米における様々な研究論文から明らかになっている研究結果も共有しました。
<内容>
1)イギリスにおける、病欠日数やパフォーマンスとメンタルヘルスの関係
2)イギリスの大企業におけるマインドフルネス・トレーニングの例
3)今行っていることとは別のことを考えている人の割合(それによりどれほどパフォーマンスが落ちるのか)
4)短期間でも瞑想トレーニングの効果があることなど
5)集中し、注意力を保てる時間を長くできるようになると、何が生み出され改善されるのか。(ビジネスマン、および学校教師)
6)レジリエンスを高めることで、世界への新たな関わり方を創造することができる。瞑想は、心を穏やかにし、心の雑音やがらくたを片付け、長期的な視野をもたらし、効果的な決断を助けてくれることなど。

また、Dr. バリーも参加している、科学と瞑想の会議(マインド・アンド・ライフなど)や世界の瞑想に関する論文本数などについての情報もお伝えしました。今回はとくに、脳への慢性的ストレスの影響、メンタルヘルスと瞑想の関係に加えて、瞑想によって寿命や脳の可塑性がどれほど影響を受けるのかについて、欧米での論文をもとにした情報のスライド、さらにアメリカで進められている学校教育における瞑想やマインドフルネスの紹介もありました。

次に、大類隆博さん(東日本電信電話(株)/NTT-ME、ヒューマンバリュー総合研究所 理事)がファシリテーターを務め、参加者同士のディスカッションを行いました。大変活発な時間となり、マインドフルネスとは何か、そしてそれぞれの職場で変化させたいことや課題は何かについてディスカッションを行い、この時間を終えることも名残り惜しいほどの時間となりました。

最後の質疑応答では多数のご質問をいただき、Dr. バリーからのアドバイスや提案がありました。(各プログラムでの質疑応答については、公式サイト https://jp.humanvaluesinstitute.org/ にて今後、随時掲載していく予定です。)

開始から終了まで4時間半というプログラムでしたが、時間が足りないほどの充実の中、終了の時間となりました。

「とくにリーダーの立場である人ほど、瞑想を短い時間(5分でも)歯磨きと同じように習慣になるくらい毎日やってほしい。一晩では何も変わらないが、自分の経験でも、根気強く数ヶ月・数年続けていれば確実に変化が現れる」というDr. バリーの言葉のとおり、ぜひ少しずつでも毎日、瞑想の実践を続けていただければと思います。

また次回、2018年3月にも「グローバル・リーダーシップ・プログラム」の開催を企画しておりますので、どうぞ楽しみにお待ちください。

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*2017年秋季の来日プログラム報告(終了後の全体の報告内容)はこちらをご覧ください


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