Media: 「ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)」

What the Dalai Lama’s doctor is telling 7,000 UPMC nurses
ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)の看護師7,000人に
ダライ・ラマ法王の医師は何を伝えたか
NEXTpittsburgh 2018年5月17日掲載(記者: Tracy Certo)

「バーンアウトについて知っている人はどれくらいいますか?」と、赤い袈裟を着たチベット仏教僧侶は、穏やかな笑顔で尋ねた。その言葉を聞いたことがない人がいるだろうか?会場の中で、ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)の看護師のグループのほぼ全員が手を挙げたのだった。

「メディテーション(瞑想)のプラクティスをしている人はどれくらいますか?」と、彼は尋ねた。ほんのわずかな人だけが、手を挙げた。

このことから、あなたは、Dr. バリー・カーズィンがこのグループで難題を抱えてしまったと考えるかもしれないが、彼はこういった状況には慣れているのだ。カリフォルニア出身で、しかし現在はインドを拠点としている、ダライ・ラマ法王の医師は、マインドフルネスとメディテーション(瞑想)の利点を説きながら、世界を回っている。

Dr. バリーがリードする、看護師のためのこの2時間のトレーニング・セッションは、ストレス・マネジメントの観点で看護師をサポートする、効果的な新たな計画となりうる試みとして、ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)にとって革新的な選択であった。しかしこの笑顔で現れた、医師であるチベット仏教僧侶にとっては、「マインドフルネス、レジリエンス、コンパッション、そしてケアの意味 - バーンアウトを予防する」と題したパワーポイントと共にやって来た、ただもう一つのマインドフルな1日だったのだ。

Altruism in Medicine Instituteの設立者であり代表であるDr. バリー・カーズィンは、新著『No Fear, No Death: The Transformative Power of Compassion.(恐れもなく、死もなく:コンパッションのもつ変容する力)』の著者でもある。

UPMC Health Planの招聘で、Dr. バリーがピッツバーグを訪れている2週間のあいだ、著者サイン会や、ビジネス・イベントへの登壇、NEXTpittsburghを含む複数のメディアでのインタビュー、そして、ピッツバーグ大学メディカルセンターにて、最終的に7,000人という人数に到達する、その最初の看護師グループ1,000人への講義を行った。

7,000人とは、ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)の看護師全員、ということだ。

このように考えてみよう:
もしあなたが患者だとしたら、「親切に」患者のケアに熱心な、穏やかで集中力のある看護師を好むか、それともストレスいっぱいの看護師を好むだろうか?

ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)は、前者を重視し、それを実現するためのトレーニングに力を注いでいる。実際に、ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)の看護師長であるHolly Lorenz氏の表現をもってして言えば、マインドフルネスは第5のバイタルサイン(体温・呼吸・脈拍・血圧など身体の状態の客観的指数)である、と彼女は言う。

そのための、Dr. バリーの2時間のセッション・シリーズなのだ。あの日、Shadyside Hospitalでの看護師に向けた彼のメッセージは、誰といても他者とともに看護師たちがより良くなるため、看護師自身が自分をケアするということだった。

バーンアウトは今回のグループにも珍しいことではなく、「バーンアウトと格闘する手始めに、まず看護師たちは、『発言し、助けを求めること』を必要としています」とDr. バリーは言った。さらに、「そこには看護師が自分自身をケアするというだけではなく、関係する全員がその奥に関わっているのです」と付け加えた。
悪い知らせだけを受け取ったばかりのがん患者。その患者の家族や友人たちは、それに対処しようとする。そして最終的に、そのすべてに対処するのは看護師なのです。

「カギとなる重要なポイントは気づいていること、つまり早い段階でネガティブな感情を認識するのです」とDr. バリーは言った。フラストレーションやイライラを感じ始めたとき、その感情に気づいて、さらにその体の感覚にも気づきます。
- それがマインドフルネスなのだ。ゴールは、その段階でネガティブな感情を止め、さらにその反対を目指すこと。
- 感情をただ抑圧するためではなく、それを変容するためなのだ。

それこそが、Dr. バリーが感情の衛生学と呼んでいることであり、無菌状態の環境で働く看護師たちと議論し合う良いフレーズである。「私たちは皆、ネガティブな感情を持っています。」「そして、私たちは皆、ネガティブな感情に取り組む素晴らしい機会も持っているのです。」と彼は言った。

「それから、正反対の感情を目指す必要があります。怒りの反対は、忍耐もしくは寛容です。嫉妬の反対は、認め感謝することです。傲慢の反対は、謙虚です。」とDr. バリーは言った。「あなた方には選択肢があります。もし、自分で気づいて、自分自身に伝えるとしたら、それは上手くいきます。」

それは、すべて実行可能なのだ:
「あなたたちは強い」Dr. バリーはグループに向かって語った。「あなたが強い人ではなかったら、看護(看護師)には携わっていないでしょう。」

科学的裏付け

Dr. バリーは、メディテーション(瞑想)がどれほど有益であり得るかということを、いかに科学が裏付けているかも示した。ある研究によると、長期にわたるメディテーション(瞑想)実践者は、前頭前野皮質が(一般と比べて)より大きく、より活発である。その脳の部位は、司令ネットワークとして、論理づけ、創造性、自己という感覚、コンパッション(慈悲)といった、思考の最も高度なレベルを司る。

他の研究によると、たった6週間のメディテーション(瞑想)で、身体に変化が生じたというエビデンスが見出されている。メディテーション(瞑想)をすればするほど、免疫システムはより健全になっていくということだ。

そしてスタンフォード大学において見直されている相次ぐエビデンスが示すのは、「優しさ」をあわせもつ医学的なケアは、医学としてのニーズだけでなく、人としてのニーズそのものに耳を傾け大切にすることに軸を置いており、それがより迅速に傷を癒して痛みや不安や血圧を軽減し得るということだ。

Dr. バリーによると、医学的なニーズと同様に人としてのニーズに注意を向けることそのものが、良い薬だという。熱心に患者に耳を傾け、今に居ることは、信頼を築く。Henry Ford Hospitalでは、「今日という日に、私たちがあなたにできる最も大切なことはなんだろうか?」と問うことによって、看護師たちは変化を始めている。

参加者たちは、Dr. バリーのメッセージに、とても引き込まれ納得しているようだった。セッションの第一部が終わると、ある看護師がこんなことを尋ねたくらいだった。
「Dr. バリーをうちに連れて帰ってもよいですか?」

なぜ、もっと頻繫に行わないのか?

そして30分を超える時間を、3回にそれぞれ短く分けたセッションで、Dr. バリーが看護師たちを、沈黙の、呼吸に集中するメディテーション(瞑想)へと導いた。ある人は、それをとても好きだと言い、メディテーション(瞑想)を初めて行う別の参加者は、メディテーション(瞑想)は簡単ではないと言った。明らかにリラックスしている、ある一人の参加者が尋ねた。
「なぜ、私たちはもっと頻繁に、こういったことを行わないのですか?」

メディテーション(瞑想)にはプラクティス(積み重ねの実践)が必要だ、とDr. バリーは言う。しかし、彼はこう指摘する。私たちは毎日、歯磨きをする時間はとっているのだから、たとえほんの数分だけだとしてもとても健康的なプラクティスとして、メディテーション(瞑想)をする時間も見つけられるはずだ、と。

褥瘡と不安で苦しむ炎症性腸疾患患者を担当する看護師の小グループを管理しているCecelia Zamarripa氏(レジスタードナース)は、Dr. バリーとそのトレーニングに引き込まれた一人である。
「仕事だけに限らず、日々の生活にもとても役に立っています。」と彼女は言う。「私たちの学ぶプラクティスのいくつかをモデル化することができれば、それは良いスタートとなるはずです。」

別の看護師であるAshley Layton氏も賛同した。「素晴らしいことです。マインドフルネスはとても重要なものであり、看護師だけではなく、すべての人々にとっても重要なものです。」Dr. バリーの話を聞いたのは今回が初めてであるが、彼女は、ピッツバーグ大学メディカルセンターでの、マインドフルネスやメディテーション(瞑想)の他のプログラムに精通していた。

「信じられないほどの人気です」と、Lorenz氏は言う。看護師たちは、トレーニングにたいして感謝を示しており、そして「全体的に見て、極めて広範囲な関心があります。」と。

目標は、この看護師たちへのトレーニングを継続することと、さらに実質的にはピッツバーグから離れた場所にいるピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)所属の看護師たちにも同じプログラムを拡大することだ。

ここのところ、引っ張りだこになっているDr. バリーは、この秋にもピッツバーグに戻ってくるはずだ。


(記事全文)

“How many of you have known burnout?” asked the gentle and smiling Buddhist monk in the red robe. Who hasn’t? Nearly every hand in the room shot up from the group of UPMC nurses.

“How many practice meditation?” he asked. Only a few hands went up.

You might think Dr. Barry Kerzin had his work cut out for him with this group, but he’s used to this. The physician for the Dalai Lama, who was born in California but is based in India, travels the world preaching the benefits of mindfulness and meditation.

This two-hour training session for nurses he was leading is an innovative choice for UPMC, as they attempt what could be an effective new plan to support their nurses in managing stress. But it was just another mindful day for the smiling monk, who arrived with a PowerPoint titled “Mindfulness, resilience, compassion and meaning: preventing burnout.”

Founder and president of the Altruism in Medicine Institute, Dr. Kerzin is also author of the new book, “No Fear, No Death: The Transformative Power of Compassion.”

During his two-week visit to Pittsburgh, hosted by UPMC Health Plan, Dr. Kerzin signed books, appeared at a business event, sat for several media interviews including with NEXTpittsburgh, and spoke to 1,000 nurses, the first cohort in the goal to reach 7,000 nurses at UPMC.

That’s every nurse at UPMC.

Look at it this way: If you were a patient, would you prefer a calm and focused nurse who was intent on “kind” patient care, or a nurse who is stressed?

UPMC is banking on the former and investing in training to make it happen. In fact, if UPMC Chief Nurse Executive Holly Lorenz had her way, mindfulness would be the fifth vital sign, she says.

Hence, Dr. Kerzin’s series of two-hour sessions. His message to the nurses that day at Shadyside Hospital was to take care of themselves so they’ll be better with everyone else.

Burnout is common with this group, and to begin battling it nurses need to “speak up and reach out,” he said. It’s not just taking care of yourself. We’re all embedded, he added. The cancer patient who just got the bad news. The family and friends of that patient trying to cope with it. And the nurse who can end up dealing with it all.

The key, he says, is being aware so you recognize negative emotions early. When you start feeling frustrated or irritable, make note of the feelings as well as the sensation in your body — that’s mindfulness. The goal is to stop the negative emotion in its track, and aim for its opposite — not to suppress the emotion, but to transform it.

It’s what he calls emotional hygiene, a good phrase to bandy about with nurses working in sterile environments. “We all have negative emotions,” he said, “and we all have the precious opportunity to work on them.”

“You need to aim for the opposite emotion. The opposite of anger is patience or tolerance. The opposite of jealousy is appreciation. Arrogance? Humility,” he said. “You have a choice. If you recognize and tell yourself that, it works.”

It’s all doable: “You’re strong,” he told the group. “You wouldn’t be in nursing if you weren’t.”

Backing it up

Dr. Kerzin showed how science backs up how beneficial meditation can be. One study shows that long-term meditators have larger and more active prefrontal cortexes — the part of the brain that acts as the executive network, controlling the highest levels of thinking such as reasoning, creativity, sense of self, compassion.

Other studies find that in only six weeks of meditation, there’s evidence of change in the body. The more meditation, the healthier the immune system.

And a growing body of evidence reviewed at Stanford shows that “kind” medical care focused on listening and caring for human needs as well as medical needs can lead to faster wound healing and reduced pain, anxiety and blood pressure.

Caring for human needs as well as medical needs is good medicine, said the doctor. Listening intently to patients, being present, builds trust. At Henry Ford Hospital, nurses start the shift by asking, What’s the most important thing we can do for you today?

The audience seemed very receptive to Dr. Kerzin’s message. As the first part of the session ended, one nurse asked, “Can I take him home?”

Why don’t we do this more often?

Dr. Kerzin then led the nurses in silent, breath-focused meditation in three short sessions over half an hour. Some loved it, others new to meditation said it wasn’t easy. One, clearly relaxed, asked, “Why don’t we do this more often?”

Meditation takes practice, says Dr. Kerzin. But he points out that since we take time to brush our teeth every day, we can find the time to meditate, a very healthy practice, even if only for a few minutes.

Cecelia Zamarripa, RN, who manages a small group of nurses working with patients with inflammatory bowel disease who struggle with bedsores and anxiety, was taken with Dr. Kerzin and the training. “It’s very applicable not only to work, but everyday life,” she said. “If we help model some of the practices we learn, that would be a good start.”

Ashley Layton, another nurse, agreed. “This is great. Mindfulness is so important, not only for the nurses, but also everyone else, too.” While this was the first time she had heard of Dr. Kerzin, she was familiar with other mindfulness and meditation programs at UPMC.

“It’s been incredibly popular,” says Lorenz. Nurses have expressed gratitude for the training, and “overall there’s extremely wide interest in this.”

The goal is to continue the training with the nurses and extend the program virtually to UPMC nurses who are further from Pittsburgh.

Dr. Kerzin, who is in great demand these days, should be back in Pittsburgh in the fall.


出典:NEXTpittsburgh