
質問:
たとえば相手の悲しみや機嫌を予測したり、気にしてしまうあまりに、なんでも同意してしまったり、なんでも聞いてしまって、自分自身を大切にできない瞬間があります。そういった人は、私を含めてたくさんいると思います。そういった人にアドバイスをお願いします。
Dr. バリー・カーズィン:
まず言っておきたいことは、仮に自分がそうしていたとしても、あまり自分に厳しくしないようにしましょう、ということです。というのは、なぜそうしてしまうかというと、「相手の人を居心地よくしたい」「ハッピーにしたい」という気持ちがあるのですよね。
その真逆を考えてみると、どういう状況かというと、いつも厳しく率直に、正直でいるということだと思います。そういう立場とかスタンスをとるだけですと、相手の人にもきついですし、自分自身も固くなっていて閉じている状態なのです。
なのでできれば、その中間、中道をみつけるということになると思うのですが、ときには「あなたのために、こういうことをやってあげたいと思っているのです。でも今は私には、それができないのです」とお伝えすることができます。そういう言い方(コミュニケーション)がとれれば、その人との関りの中で、ある程度、自分は正直で居られていると思います。…と同時に、自分のケアも少しより良くできている状態かと思います。
しかし、さっきおっしゃたっことは、そんなに悪いことではありません。それほど悪くないというのは、相手の人のことを考えて、その人がよりよく感じられるように、少し機嫌がよくいてくれればといいなという思いがあるということですよね?
自分のこともケアをして、少しでも正直さがもてる状態で関わるということです。ですので「やりたいけどできないんだ」と伝えることです。少しでも物わかりが良い人であれば、「そうですよね」と分かってくれます。しかし、ときにはそういう理解がない方といることもあります。
それはそれで、大丈夫です。