
質問:
大学で国際教育について学んでいるのですが、生徒に普段の教科を教えるのとは違って、教師自身をトレーニングするには、どのような方法がありますか?
バリー・カーズィンの回答:
SEELについて、少しお話します。SEELというのは、Social Emotional Ethical Learning(ソーシャル・エモーショナル・エシカル・ラーニング)のことで、社会的・情動的・倫理的教育のことです。
これは教師のためのトレーニングですが、コンパッション(慈しみ・慈悲)やエシカル・リーダーシップ(私心なき姿勢)の点で、私たちが開催しているプログラムとも共通点があります。私からみると、先生を多面的に教育するプログラムだと思います。概念を教えて、つまり、コンパッション(慈しみ)やマインドフルネス、レジリエンス、無私の姿勢とは何か、ということです。こういったことを先生に訓練するには知的な理解では足りないということになります。
先生だけでなく、ビジネス・リーダーたちも、家に持ち帰って日々の宿題が必要になります。普段、誰と会っても自分に言い聞かせるマントラが必要かもしれません。
「この人は、私と同じように幸せになることを望んでいて、傷つくことを望んでいない」など。
誰と出会っても、そのことを思い出せると、どんな人にも親しみを感じられるようになります。自分の中にコンパッションを育むことができます
最初はまず、知的な理解から始まり、次に実践するエクササイズが必要になります。特に感情の衛生学が必要で、「怒りについて」はとても大事になると思います。自分の怒りがあるとわかったら、それに対して解毒剤、つまり怒りを減らすための対策が必要になります。
それから「与える」実践も必要になります。自分から人に与える練習です。「正直さと誠実さ」の実践では、「今は正直ではない方向に向かっているな」と思ったら軌道修正して戻す実践を行います。
それから、集中力をつける、シャマタの瞑想(呼吸に集中する瞑想)が必要になるかもしれません。
そして、これは今回の回答では導入だけ言及しますが、「無私の姿勢とは何か?」「謙虚さとは何か?」ということです。これは教育者の資格や修了証を受け取るためのものではなく、継続的に実践するものになると思います。そこからさらに、教師の中でも、上の方の立場にいる、指導的な先生がお手本になることが必要になると思います。例えば、会社の社長/CEOが、まずロールモデルになる、ということと共通しています。
– 2018年11月「グローバル・リーダーシップ・プログラム」より