
「短期的なビジネス思考」は、ごまかしや汚職につながります。なぜかというと、他者を喜ばせようとしすぎてしまうからです。私たちは子どものときは両親を、成長すると先生を、大人になると上司を喜ばせようとしがちです。
それに対して、「長期的にビジネスを考える」という方向ですと、誠実であり敬意があって、高い評価につながります。これは物事を長期的にみることが重要であることを示しています。
リーダーシップには誠実さが重要なのはもちろんですが、コンパッション(慈しみ)や思いやりも重要になります。誠実さとは、「正直であるという姿勢」であり、高い評価や信頼につながります。正直さと信用があることで、信頼にもつながります。
誠実さというのは、正直さや敬意につながります。そして敬意や信頼があれば汚職の余地がなくなります。
大企業であることには長所も短所もありますが、そのうち短所というのは、「現状維持」することだと思います。それに、より創造的なことや変革が妨げられるということです。企業も元々は正直さと信頼という良い意図を持って始まっているのですが、それが欠けてくると、過ちや不祥事に繋がっていきます。
企業の文化の中に、誠実さや信頼があるときには、オープンなコミュニケーションが存在します。それがなければ、疑いや恐れの文化ができていきます。リーダーというのは自分が手本になる必要があります。健全な自信があれば、生産性が向上します。
それがどういう意味かというと、「誰のことも見さげない」ということです。自分のことも他者のことも見下げることがありません。
リーダーとなる人は、自分の中に健全な自信を育むのがとても重要になります。自分のことも卑下しない、他者のことも見下げない…ということです。これは謙虚さにも近いものです。
かつては、謙虚さは弱さだと見る人もいました。でも21世紀では、謙虚さは強さと勇気の象徴です。傲慢にならず、自分を卑下しすぎないということです。その意味では、謙虚さは「健全な自信」と、とても近いものです。
健全な自信はコミュニケーションの向上につながり、スキルを獲得するトレーニングにも繋がっていきます。特にレジリエンス、自分の中の回復力を向上させるということです。ヒューマンバリューは健全な自信を向上させるプログラムを提供することを心がけています。
‐ 2018年11月開催「グローバル・リーダーシップ・プログラム」より