「沈黙のリトリートのような体験」2019/9/29 瞑想プラクティスグループ&ヨガ 開催報告

9月29日(日)に都内にて「瞑想プラクティスグループ&ヨガ」が開催されました。今回はヨガと瞑想に加え、『入菩薩行論』のテキストを使ってのディスカッションも行いました。

ヨガでは、ボランティアのヨガインストラクターの方のリードで、私たちの今の状態を知るためのバロメーターである呼吸に意識を向け、それに合わせて様々なポーズなど、体を動かしていきました。そうやって体に意識を集中することで、外側に向いていた意識のベクトルを自然と内側に向けることができ、体もリラックスした状態で、参加者の方々はいつもより深く瞑想に集中していたようでした。

その後、頭もスッキリした状態で『入菩薩行論』のディスカッションを行いました。『入菩薩行論』はDr.バリーと数年かけて学んでいるテキストで、特に初めて触れる方にとっても、復習したい方にとっても、私たちの日常に使えるヒントが満載なのが第6章「 Patience (忍耐)」です。Dr.バリーからも、皆で勉強していくならまずこの章を、とアドバイスがあり、9月からこの章のグループ学習とディスカッションの時間を取りいれていくことになりました。

『入菩薩行論』は1300年前に書かれたベストセラー古典なのですが、けっして古いわけではなく、Dr.バリーもむしろ(チェ・ゲバラよりも、毛沢東よりも)急進的、革新的だ!と強調しています。心について、生き方について、私たちの常識を覆される、自分の思い込みに挑戦されるような、生き生きした内容に驚かされます。

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今回の瞑想プラクティスグループでは、これまでのプログラムで使ってきた英語のテキストを土台に、日本語訳も参照にしながら、丹念に内容を復習しました。使う言語によっても異なる表現をしていることから、日英の両方を見ていくことで、さらに豊かで多角的な理解になることに気づきました。

基本的にこのテキストは「菩薩の生き方のガイド」であり、菩提心を育むためのものと言われていますが、そこから、「私はこう思っていた」「このテキストで言っているのは実はこういうことなのでは?」「バリー先生は以前、このように説明してくださっていた」・・など、テキストで言われていることと照らし合わせて、一つ一つお互いに意味を考えながらディスカッションしていくことで、有意義で興味深い時間になりました。

取り上げられたテーマとしては 例えば、

・菩薩心とは一体どういうことなのか?

・第6章の「Patience」という言葉は、通常は「忍耐」と訳されるが、日本語のただ耐え忍ぶ、我慢する、本当の気持ちを抑圧するということとは同じなのか、違うのか?

憎しみと怒りには、違いはあるのか?怒りなどの感情が一時的でなく、自分の中で引きずり続けてしまうのはなぜか?そこでの忍耐とは何か・・・?

そのような私たちの日常に密着したポイントを、テキストを見ながら、自由にオープンに、グループでのディスカッションを行なっていきました。

また、今回は英語ネイティヴのオーストラリア人参加者の方も参加してくださったことで、個人での違いだけでなく、異なる文化・社会的な文脈でのイメージの違いにも気づくきっかけとなり、自分が普段どんな前提や思いこみを持っているのかを、考えさせられるきっかけになりました。


<参加者の声>

・今回、ヨガでプチ「沈黙のリトリート」を味わうことができたと感じました。特にインストラクターの方が最初に言ってくれた、ヨガは人と比べるものではありません」という言葉が響きました。それで、意識を自分に集中するようにしました。
ヨガを終えたあとは、リラックスしているのを感じました。身体はもちろん伸びて楽になっているから、リラックスしているのですが、精神もリラックスしている感じがしました。呼吸に集中したり、今の自分の身体がどんな感じか感じようとして、自分に意識を向けることは、自分に優しくすること、自分に思いやりを向けることだと気づきました。
リラックスするのに外側の条件が必要なように思いがちですが(リラックスするためのツールだったり、マッサージを受けたり、リゾートホテルで過ごすことだったり)、ただ自分に注意を向けて、自分と一緒に過ごす時間が持てると、今回のヨガは30分程度の短い時間でしたが、十分に身体も心もリラックスすることができるんだな、とわかりました。次回も楽しみにしています。

・Today was really interesting. To study with others makes one think differently. And every one is coming from a different perspective. It challenges the mind and ones preconceptions.
今日はとても面白かったです。誰か他の人たちと勉強することで、いつもと違った考え方をさせてもらえるんだなと思いました。誰もが違った視点から物事を見ているということ。それは自分の思考を揺るがし、思い込みに対する大きな挑戦になる、と感じました。


 

今回の内容が有意義だったというお声を多く頂きましたので、次回のプラクティスグループでも、引き続き『入菩薩行論』を使ったディスカッションを継続していきたいと思っています。次回は 10/20(日)開催予定です。どうぞお気軽にお越しください。