医療従事者の中にある思いやり

 みなさんの中で「自分の中にはネガティブな感情は無い」と思う方はどれくらいいらっしゃいますか?「怒りや嫉妬や驕りのようなネガティブな感情は全く無い」という意味です。

みなさん、そういった感情を持つことがありますね。
怒りはありますか?嫉妬心もありますか?時には「何て自分はすごいんだろう」という驕りの気持ちが出てきたりしますか?

みなさんが「自分の中にネガティブな感情がある」と仰っているということは、逆に言えば「それに働きかけるチャンスがある」ということです。

時々、医療従事者の方ご自身が、「私たち医療従事者に、十分な思いやりの心がないことがある」と仰ることがあります。ですが、私はそこは同意しません。

表面では分からないかもしれませんが、私たちの本質的な部分には「仏性」と呼ばれる部分があって、そこには必ず愛と慈悲は含まれています。

ですが、実際に自分たちの本質である「愛と慈悲」を妨げてしまうネガティブな感情というのがあるので、「愛と慈悲が見えなくしてしまっている」ということがあります。

ですので、私たちが持っている、怒りや嫉妬心や驕りというネガティブな感情を減らせば、本来の愛と慈悲が輝いてきます。

「感情の衛生学」が重要であり、それによって、愛と慈悲が輝いてくるのです。
「感情の衛生学」という、自分の感情をさらに純粋なものにして、ネガティブなものを綺麗にする、ということができれば、自分が閉じ込めている愛と慈悲が開いていきます。

‐ バリー・カーズィン(2019年6月開催・医療従事者向けプログラムより)